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マーベルオタクではない一般人の『ドクター・ストレンジ』感想及び全ストーリーネタバレ

映画

超久しぶりのブログ更新です。これからはちゃんと書いて行きます(n回目)。

 

 

本日の映画は

『ドクター・ストレンジ』

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言わずと知れたマーベルシネマティックユニバースの最新作(2017年1月現在)。IMAX3Dでの鑑賞。公開初日でしたがお客さんの入りはそこそこ。平日なので致し方ないか。今週末はかなり入るんじゃないかな。未だに興収上位に居座る『君の名は。』を食えるのはこの映画しかないでしょ。

 

まず最初にですが、この映画、絶対に3Dで観るべきです。予告でも既にいくつかのバトル描写がありますが、街がメリメリめくれたり内から湧き出したりして来るビジュアルは、完全に3Dで楽しむためのものだと言って差し支えない。

IMAXで観るべきかどうかは微妙なところ。どちらでもいいと思うけど、IMAXで観て損はないはず。ノーランの『インセプション』みたいな感じかな、と思う人も多いだろうけど、映像のインパクトはこちらの方が上な気がします。

 

 

さて、肝心の内容ですが、これが非常に良かった。いくつか不満な点もありますが、映画の時系列に沿って感想を書いていきたいと思います。

 

恒例のマーベルのロゴが映るところから映画が始まります(なんかバージョンが新しくなった?)。マッツ・ミケルセン演じるカエシリウスが魔導書庫(この言い方でいいのかな)の番人を首チョンパして、禁断の魔術書を手に入れる、と言うのが最初のシーン。

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余談ですが、僕本のページ破る奴許せないんですよね。自分の本であっても書き込みとかしたくないのに、他人の秘蔵コレクションを破っていくカエシリウスこの時点でド外道決定です。(なんでこの時本を丸ごと持って行かなかったんだろう。それに対する皮肉が映画終盤で言われるんですけど、実際なんで?)

そのカエシリウスをフードの魔術師が追う。ミラー次元(現実世界にそっくりだけど空間を自由に弄れて、かつ現実世界には影響を及ぼさない次元)にカエシリウスを閉じ込め、壁をメリメリめくりながら(これが言葉で表現できない。どうぞ観に行ってください)戦う。

この時点で、これだよ、こういうのが観たくてマーベル作品を見に来てんだよ!って叫びたくなった。圧倒的なCG力(と金銭)に物を言わして、映画でしか作れないビジュアルを生み出す。大正義マーベルって感じ。

結局カエシリウスは空間に穴を開けて逃げ出してしまいます。

 

一方場面変わって手術中らしい本作の主人公ドクター・スティーヴン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)。どうやら楽な手術らしく、イントロクイズ的なサムシングをしている。Earth Wind & FIreのShining Starに合わせて体を揺らす外科医、人間としては最高だけど医師としてはお世話になりたくないなあ。

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そんな時に急患が。その知らせを持ってやってくるのは本作のヒロイン、クリスティーン(レイチェル・マクアダムス)。僕の中ではレイチェル・マクアダムスといえば『アバウトタイム 〜愛おしい時間について〜』なんですが(いつ見ても本当にフザけた放題だな)彼女とかアン・ハサウェイみたいな口の大きいハリウッド女優、好きなんですよね。

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どうでもいいけど岡田斗司夫も同じように口の大きい海外女優好きらしくて、なんだかなあって感じ。

同僚の医者が脳死だって言ってるのを無視して見事に助けてしまうドクター・ストレンジ。彼は今日学会があるそうな。どうやら元カノらしいクリスティーンに一緒に行かない?なんて言うけど一蹴されてしまう。

超高級デザイナーズマンションに戻って出かける準備をするドクター。ピアノが置いてあったりして、指先が器用なんだろうな、とイメージさせます。

そして大量の時計コレクションの中からお気に入りのやつを選び出して、いざ研究発表会へ。この時計ってアイテムが全編を通して非常に重要になります。

車種はわからないけどすげえ高そうな車でぶっ飛ばすドクター。どうやら研究発表はアベンジャーズの本部であったっぽい。そして帰り道、ながら運転をしていたドクターは大事故を起こして病院に担ぎ込まれる。一命をとりとめたものの、手の神経が破壊され、一生元に戻らない体に。リハビリを続ける中、重度の障害から蘇った男の話を聞き会いにいくと、なんだかスピリチュアルな話をされて、カマー・タージに行けと助言を受ける。

そこでハイパーに偉大な魔術師、エンシェント・ワン(ティルダ・スウィントン)と出会う。彼女からドラッギーな体験を授けられ、弟子にしてくれと懇願するも路地に投げ出されてしまう。僕はこのLSD的な映像及びカンバーバッチのリアクションで、「あっ、コメデイなんだな」って思った。

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5時間ほど泣きついた結果、哀れに思ったマスター・モルド(キウェテル・イジュフォー)が中にいれてくれる。ファイトクラブのあいつは丸三日玄関前に立ち続けたのに、あんたは5時間でギブアップか、情けねえなあ。タイラー・ダーデンだったら絶対入れてくれないぞ。ここでモルドの渾身のギャグが炸裂するんですが、如何せん予告でそのギャグを見すぎてて笑うに笑えない。あれを予告に入れたのは失敗だったでしょ。

 

いよいよ修行するぞ、と意気込むも一向に魔術が使えないドクター。エンシェント・ワンにヒマラヤに放り出されてようやく、使えるようになる。火事場の馬鹿力でなんとかせえ、って教育法、ベタな話だけど嫌いじゃない。

それ以降はメキメキと実力を伸ばしていくドクター・ストレンジ。魔導書庫の番人ウォン(ベネディクト・ウォン)と楽しく掛け合いをしながら、知識を吸収していく。そして、エンシェント・ワンのコレクション(カエシリウスが1ページ盗んだやつ)に手をつけ、時間を操る魔術を体得する。ここでモルドに「新しい分岐を作るな。自然の摂理に逆らうな」とキツーくお灸を据えられる。

結局この”時間の扱い”が原因でドクターとモルドは袂を別つことに最後にはなるんですが、なんでそんなに怒ったのかイマイチわからなかったな。そこらへんは今後フォローが入るのかもしれない。

 

そんな中、ロンドンの支部を潰したカエシリウスが突如乗り込み、今度はNYの支部で戦いに。この戦いの中で彼専用のレリック(飛行マント)の力を借り、ドクター・ストレンジはなんとカエシリウスを捕縛することに成功。

ここでちょっと「カエシリウス弱くない?」って思ってしまった。マスターの称号を持つマッツ様相手に、ぽっと出のカンバーバッチが普通に戦えるのが意外だった。

「エンシェント・ワンは長寿のために暗黒次元の力を借りてる偽善者やで」とドクターに語りかけるカエシリウス。逡巡してるうちにドクターはカエシリウスの部下に刺されてしまう。なんとか逃げ出し、クリスティーンのいる病院へ瞬間移動。手術を受けながら、幽体離脱したドクターとカエシリウスの部下が戦う。ここら辺の描写は完全にコメディーだった。電気ショックで人命を助けて敵も倒すとは、なんとも一石二鳥。

回復したドクターは電波なコメントを残してクリスティーンの元を去る。再びカエシリウスとのバトルへ。今度はモルドも参戦。ミラー次元に閉じ込めて戦おうとするが、敵のパワーも増幅されちゃって苦戦を強いられる。

ここの映像が本当に素晴らしい。空間を直角に折り曲げたり自由に分離させてりする中での鬼ごっこ。

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エンシェント・ワンも乗り込んでくるが、返り討ちにあい、ミラー次元から放り出されて落下。病院に担ぎ込まれるも、「暗黒次元の力を借りたんはしゃーなしやってん。あんたも修行するんやで」との言葉を残してこの世を去る。

 

最終決戦は香港。ウォンが迎撃の準備を整えていたものの全く歯が立たず、ドクターたちが到着した頃にはすでに周囲は火の海&暗黒次元が出現。ドクターは時間を逆行させて街を修復させながら、カエシリウスと戦い始める。突如何やら思いついたらしく、一人で暗黒次元へ。悪の親玉っぽい人(名前忘れた)無限ループに閉じ込め、地球から手を引くように説得。

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結局カエシリウスは暗黒次元に連れて行かれ、街も修復されて一件落着。自然の摂理に反したことが気に入らないモルドだけが不満げにその場を去る。どんなものでも修復できる力を手に入れたドクターであったが、壊れた時計だけは修復せずに持ち続けるのだった。

 

恒例のエンドロール後のおまけは、マイティ・ソーが登場。もはやこの展開お約束と化してるけど、普通の映画だったらぶち壊しですよねー。MCUだから許されている。

結局闇落ちしちゃったモルドが今後の敵になりそうなことが示されて、映画は終了。

 

 

途中からめんどくさくなって中盤以降はすごい駆け足で振り返ってみましたが、大体のストーリーはこんな感じ。正直優れた脚本ではないと思います。映画的なテクニックを使いたいんだけどうまく使いきれない監督の姿とかが目に見えてくるようですし(時計とか円のモチーフとか)、終盤の展開とかは自分でまとめてても何書いてんのかよくわかんなかったし。でも、その大味なところが今まさに僕が求めていた映画だったんですよね。

キャプテン・アメリカ シビル・ウォー』というクソ真面目作品を作った後にこういう映画を作ることのできる、マーベルの懐の深さってやっぱりすげえな、と実感。そして何よりも恐ろしいのは「こういう映画を君たちは求めてるんでしょ?」と全て計算づくで作っているということ。ルッソ兄弟の作品群でアメコミ映画を観ない層を取り込み、それが受けたからといって『ドクター・ストレンジ』みたいな映画を作ることも忘れない。全てはマーベル、ひいてはディズニーの計算の上。

映画秘宝スクリプトドクターの三宅隆太さんが「『ズートピア』の脚本は計算されすぎていて逆に気持ち悪い(大意)』とおっしゃっていましたが、今のディズニーは製作過程とかも含めて全部そんな感じ。世界のエンタメを一手に掌握することさえできるんじゃないか、という恐ろしさがあります。

 

あとはいくつか不満点について。一番気になったのはマッツ・ミケルセンを生かしきれていないことですね。良くも悪くも癖のある俳優なので、うまく消化するのが難しいというのはわかるんですが、もう少し魅力あるキャラクターにすることはできたんじゃないかな。映像がすごすぎるだけに、相対的に体術の見栄えがないのも少しマイナス。速く動けばいいってわけじゃないんですけれども、人体の動きって緩慢だよな、と変に納得してしまうアクションが多かった。

そしてギャグをどう受け止めるかですね。これは転じて長所にもなっているので、あんまり一刀両断にもできないし、むしろ僕は好きなんですが、どうしても「センスがない」って気になる人はいると思います。僕はこういうレベルの低いアメリカンなギャグ(酷い言い方だな)は、そういうものだと割り切ってしまえば多幸感が得られるのですが、なかなか扱いが難しい。

 

とにかくこれはアメリカで公開された時点で散々言われたことですが、一作目のアイアンマンを見たときのワクワク感を再び与えてくれた映画だと思います。MCUという宇宙の中で夢のコラボが実現する中、それが足かせとなり、少し詰まってきた感じがあったのは事実です。シビル・ウォーなんかは完全に一見さんお断りでした。そこにきて、この『ドクター・ストレンジ』。単独の映画としても素晴らしく、こいつがアベンジャーズと共闘するのか、という楽しみもあります。

今年はスパイダーマンの新作やガーデイアンズ・オブ・ギャラクシーの続編のような、楽しい流れのMCU映画がいくつかあります。ウルヴァリンの新作は逆に強烈ハード路線となるようです。

 

まだまだ広がるMCU、キャラクターばかりを愛でる感じがしてこの界隈からは一定の距離を取ってきてたんですが、その気持ちが少し分かってしまいました。なんだか悔しいのですが、それだけ今のマーベルスタジオにはお金も実力もあるってことですね。今後も対策アクション映画の基準であり続けるんだろうな、と思います。素直に楽しみです。